不正行為の重層構造について


印象が良くないタイトルですが、

思うところがあり残しておきたいと思います。




塾経営に携わり

各種試験を塾生・保護者と共に目指す機会が増えました。

ならびに

各種試験を主催する立場にもなりました。

今期は算検・数検に始まり、英検、漢検にも乗り出しています。

(ちなみに検定は収益にはなりません)

点数や合格を追いかける一方で、

規則にのっとり厳正公平な試験を行うことの大変さを身にしみて感じます。

ことに不正行為に関しては厳しく取り締まらなければなりません。

考えればわかることですが、

その不正行為には社会的にも個人的にも

幾重にも渡る重層構造があることにいま現在気づかされつつあります。





1、受験者が不正行為をする

これはわかりやすい。


2、指導者が不正行為をする

これもあるでしょう。


3、主催者が不正行為をする

これもきっとあるでしょう。


4、家族が不正行為を許す
5、社会が不正行為を許す

これらがあるとホントに残念でしかない。

・・・



1は現行犯で処罰

対処もわかりやすいです。
個人の問題ですから。


2は調べた先にわかるもの。

非常にタチが悪く
非常に卑怯な手ですが、

こうせーあーせーいいながら
ばれないからといいながら

指導者がこそこそやらせるものです。

受験者は呑んでいようといまいと
はらはらしながらやらされるものです。

確実に指導者に問題ですが、
拒まない受験者にも問題。



3は組織破綻につながるものです。
インチキ推奨団体をアピールすることになります。

私が最も留意しなければならない点かもしれません。


試験時に何と闘っているかといえば

試験と闘っているわけではなく
試験作成者と闘っているわけでもなく
点数や合否と闘っているわけでもなく


取組みを通じた自分自身と闘っている

といえます。


不正行為にもいろいろあります。


ある試験において許されるものが
別の試験においては許されないものがあります。


例えば

漢字検定の時は会場内で目につく漢字があればアウトですが、
英語検定ではその必要はありません。

模擬試験では欠席者の事後受験が許されますが
団体受検の検定では一斉試験しか許されません。

特に検定は国内共通の試験でもあり規定が細やかです。

しかし

検定協会の方が見に来ることはごくごくまれでしょう。

主催者が安易に決まりを緩めれば容易に不正が通ってしまいます。



4は家庭内の規範やその地域の秩序につながる価値観です。

親が不正に走れば
きっと子も不正に走ります。

地域ぐるみで不正に走れば
地域の子供たちも不正に走ります。
正すにはだれかがまずいと気づいて動くしかありません。




不正行為において何が問題か

それは

不正行為そのものではなく

その根元にある

不正行為を許す個人
不正行為を許す団体
不正行為を許す社会が問題であり


結果として先々起こりうる諸々への悪影響に問題があるというだけです。


試験において不正が出回るが故に

個人間、団体間、地域間においても不正が出回ってしまう。

こんな流れがつくられうるのです。




スポーツ界においてもドーピング問題はまだまだ出てくるでしょう。


それはもちろん
前提としてドーピングはいけないというルールがあるからですが
前提としてドーピングを許す世界をつくって思いっきりやってもらう分には全く問題ないのです(恐ろしいですが)



まとめですが

不正行為には重層構造があります。

ルールは破るためにあるのかもしれませんが、

そのためには
ルールを破っていいというルールをつくる必要があります。

それには時間も労力も必要です。

ひとまずは順守

守破離の思想概念に通じます。



2017年01月26日 Posted by走る先生 at 10:05 │Comments(0)

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